廃棄物削減問題

こんにちは、武谷です。

タイトル通り、廃棄物問題ではなく廃棄物削減問題です。

実際の現場を見ていて、廃棄物削減について少々違和感があります。

私は廃棄物削減を企業が目指している目的は2つあると思っています。

1つは、廃棄物削減による環境保全。

もう1つは、廃棄物削減による廃棄物処理コスト削減、要するに費用削減です。

なぜ廃棄物を削減し、環境保全に努めなければいけないのかは、

調べれば分かる事です。あえて、ここに書く事はしません。

問題は、費用削減を狙った廃棄物削減についてです。

費用削減を狙ったと言いますか、狙い過ぎたと言ったほうが正しいかもしれません。

例えば、こういうことです。

「年間で○○tの廃棄物削減を行い、○○万円の費用削減に成功しました。」

費用削減については帳簿で証明される事実ですから、その通りであることは確かです。

では、削減された○○tの廃棄物はどこにいったのでしょうか?

実に不思議だと思いませんか?

弊社のサービスである、グリストラップ清掃を例に挙げます。

その前に、グリストラップに溜まったヘドロは、産業廃棄物の汚泥という品目に該当します。

ここは押さえておいてください。

それでは、話を進めます。

A飲食事業者(以下A社)と弊社が、グリストラップ定期清掃契約を結んだとします。

弊社がグリストラップの汚泥を毎月0.1㎥回収すると、年間汚泥回収量は1.2㎥になり、

A社の年間汚泥排出量は1.2㎥ということになります。



そこでA社は、この汚泥排出量を減らせないかと考えました。

年間回数を半分にすれば、汚泥排出量も半分になる。

契約を打ち切ってしまえば、汚泥排出量はゼロになる。

しかし、これは厨房の衛生面から考えても現実的ではありません。

業者に頼まず、自分達で清掃するとしても、廃棄方法の問題等があります。

そういう飲食事業者を狙ってかどうか知りませんが、最近は浄化装置が出回っています。

グリストラップ内を曝気させるわけですが、グリストラップの機能である油水分離を損ない、

排水詰りを引き起こす可能性が高い為、自治体でも設置禁止を呼び掛けています。

汚泥排出量削減の実現は、聞こえは良いものの難しい問題です。

理に適わない削減は、思わぬところに弊害をもたらします。

先に挙げた、廃棄物削減を企業が目指している目的。

廃棄物削減による環境保全と、廃棄物削減による費用削減。

そう書きましたが、最優先すべきは前者であり、後者はあくまでもその結果です。

後者が目的となっている会社のそれは、人員整理などの固定費削減と何ら変わりはありません。

廃棄物削減を実行する究極の方法は、”買わない・作らない・壊さない・捨てない”でしょう。

かなり乱暴な言い方で現実的ではありませんし、間違った捉え方をされる可能性もある。

人間が生きるうえで、廃棄物を文字通りゼロにするのは不可能に近い。

ただ少しでもゼロに近付ける努力は、必要であることに間違いありません。

私達は日夜グリストラップから汚泥を回収し、リサイクル処理工場へと運んでいます。

グリストラップ汚泥のリサイクル処理。

その責任ある事業の一端を担えていることに誇りを感じています。

 

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