ヤフーやグーグルで「グリストラップ清掃」と入力し、検索してみてください。
関連ページが沢山出てきます。どのサイトもグリストラップに関する悩みを解決するような切り口で、
説明書きがされてあるはずです。
どれも良さげに見えませんか?それが何故だかわかりますか?
理由は簡単です。皆様にグリストラップに関する知識が無いからです。
基本的な知識があれば、いざ業者に清掃を依頼する場合でも悩まなくて済みます。
お時間のある時に、少しずつ見ていただけば十分です。
当ブログが少しでも皆様のお役に立てますように。
グリストラップとは、超簡単に言うと飲食店やレストランに設置されてある水槽のことです。
設置場所は主に厨房や裏口付近(屋外)で、このようなフタがあったりしませんか?
フタを開けると…
飲食店で働いたご経験のある方は、実際に清掃されたことがあるかもしれません。
特有の臭いと汚れで清掃するのも大変ですよね?
清掃後、店内に臭いが広がっていて困ったというお声を聞く事もあります。
一般的にグリストラップと呼ばれていますが、他にはこんな呼び名もあります。
グリーストラップ、グリスピット、オイルピット、油水分離槽、グリス阻集器など。
初めて目にされた方や名称をご存じない方は、側溝や排水溝と言われたりもします。
フタを開けて上から覗くだけでは、グリストラップの構造がよく分かりません。
グリストラップに溜まったヘドロを全て抜き取ると、少し分かりやすくなります。
左に網カゴがあって、板2枚で仕切られてて、右側にはパイプがあるな…という感じでしょうか。
はい、これが一般的なグリストラップの構造です。
網カゴと板2枚、それから変な形をしたパイプで構成されています。
上から見て、これだけ分かればOKです。
では、このグリストラップを横から見ると、一体どんなふうになっているのでしょうか?
先程のおさらいになりますが、左からAの網カゴ・Bの板2枚・Cのパイプですね。
時々見かけますが、この3つを外したり改造することは止めましょう!
(例:網カゴや板、パイプを外す。パイプを切る。パイプの上についているフタを外すなど。)
A:網カゴ B:板(仕切板) C:パイプ(トラップ管)
以上の3点を、ひとつずつ見ていきましょう!
まずは網カゴについてです。
写真赤マルの部分ですね。
厨房排水はまず、ここに流れ落ちます。
その段階で排水中に含まれる異物や生ごみが、網カゴに引っ掛かります。
次に、2枚の板で仕切られた部分についてです。
ここに排水中に含まれる油脂分等が浮上し、底に沈殿物が溜まります。
最後は、パイプについてです。
このパイプを通って、排水は先の公共下水道へ流れていくわけですね。
駆け足で説明しましたので、下の図で再度ご確認ください。
グリストラップの役割は、厨房排水に含まれる油脂分やゴミをグリストラップ内に留め、
先へ流さないことです。下水環境保全の為に設けられた設備なんです。
ですので、グリストラップは当然汚れます。
汚れない方法はないか?ではなく、汚れるから定期的に清掃が必要。そうお考えください。
グリストラップが汚れる→清掃して綺麗にする→汚れる→綺麗にする→汚れる→綺麗にする
このメンテナンスフローを確立して、グリストラップの機能を最大限に活かしましょう!
汚れたまま放っておくと、悪臭や害虫発生、排水詰りの原因となり、営業に支障が出ます。
では、どうやって清掃すればいいのか。
まず、業者に頼まずとも出来る日常清掃についてですが、それはズバリこの部分。
網カゴの清掃です。汚れ具合によりますが、基本的に毎日溜まったゴミを取り除いてください。
残飯などの生ごみはもちろん、ストローや割り箸などが溜まっているところもあります。
専用のネットが売られていますので、そういったものを使用すると多少楽になるかもしれません。
多少臭いですが、ぜひよろしくお願いいたします。
それから自分で清掃する場合の注意点です。
下の写真のようなグリストラップに溜まったヘドロをすくって、燃えるゴミとして廃棄していませんか?
これをやっては、いけません。
まず、廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。
燃えるごみは一般廃棄物ですが、グリストラップに溜まったヘドロは産業廃棄物とされています。
要は、産業廃棄物と分類されている物を、一般廃棄物として廃棄する事になるのです。
廃棄物処理法の定めにより、罰則規定もありますので止めてくださいね。
それから、もうひとつ。
グリストラップに溜まったヘドロをすくって、下の写真のフタを開け、流し込んでいませんか?
このパイプは、先の公共下水道へ続いています。
ヘドロをすくって流し込むと、排水管が詰ってしまいます。
例えばビルの飲食店街だったりすると、他の飲食店さんに影響が出る事もあります。
じゃあ、グリストラップに溜まったヘドロは、どこの会社が回収してくれるのか?
前に説明したように、廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。
一般廃棄物と産業廃棄物は、同義語だと勘違いされていらっしゃる方もおられますが間違いです。
燃えるごみ等は一般廃棄物ですが、グリストラップに溜まったヘドロは産業廃棄物に該当します。
つまり、一般廃棄物ではなく、産業廃棄物の収集運搬業許可を持っている会社に回収を依頼する必要があるのです。
弊社ではバキューム車でお伺いして、ヘドロを回収すると同時に、グリストラップ内の手洗い清掃を行っています。
実際の写真をご覧ください。
このように、営業を続けるとグリストラップが汚れていきます。
このブログを最初からご覧頂いている方はご理解いただけると思うのですが、グリストラップの役割は
厨房排水に含まれる油脂分やゴミをグリストラップ内に留め、先の公共下水道へ流さないこと。
網カゴでゴミをキャッチし、水面及び底に油脂分等を上下分離させる。(油水分離)
グリストラップが機能を果たしている結果ですね。
極端な言い方をすれば、厨房が営業をすればグリストラップが汚れて当然ということです。
しかし、汚れたまま放置してはいけません。悪臭や害虫の発生、排水詰りの原因となります。
そこで、定期的にバキューム清掃を行います。
溜まったヘドロの回収と同時に、グリストラップ内部を手洗い清掃します。(網カゴ・仕切板・壁面等)
清掃後はこちら。
気が向いた時、数年に1度とかではなく、定期的に行うことが大事です。
グリストラップの汚れがひどい場合は、清掃の頻度を上げたほうが良いでしょう。
次に、バキューム車で回収したヘドロは一体どうなるのか説明します。
回収したヘドロは、処理工場へと運ばれます。
弊社が持ち込んでいる工場では、最終的に有機肥料等へリサイクルされています。
この事実をご存じない方も多いです。汚くて臭くて、どうしようもなかった汚泥の再資源化。
例えば、使用済みの捨てるはずだった割り箸や廃油。ペットボトルや、古紙。他にも沢山ありますね。
それらと同じように、リサイクルされているんです。
では皆さんが最も気になっている費用についての話ですが、
弊社のバキューム清掃についての説明を、簡単にまとめると次のようになります。
グリストラップの汚泥回収及び清掃→回収した汚泥の運搬→汚泥の処理リサイクル
これが一連の流れであり、この分の費用がかかります。
ですので、グリストラップの容量も関係してきます。
数社から見積を取って金額の安いところ、または中間あたりの業者を選びましょう。
というような、よく分からない話を時々聞きますが、どこまでやってくれるのか、どういう方法を取っているのか、
その部分こそが、まずは重要なポイントとなりますので、ぜひ押さえておいてください。
それから、最近よく聞かれるグリストラップの曝気装置についてです。
実際に弊社がグリストラップの清掃に伺った際、それが付いているケースも時々あります。
お客様にも、弊社では取り扱っていないのか聞かれる事もしばしば。
結論から言うと、弊社は取り扱っていません。
なぜ取り扱わないのか?その理由は以下のとおりです。
①設置を禁止している自治体がある。
②グリストラップの容量や構造上、不向きである。
ということで、グリストラップの維持管理について説明しました。
ご参考にして頂けると幸いです。
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2013年6月 のアーカイブ
飲食店厨房グリストラップのトリセツ(取扱説明書)
2013年6月29日 土曜日
グリストラップの維持管理方法
2013年6月27日 木曜日
グリストラップの維持管理方法をネットで調べてみると、関連情報がウジャウジャ出てきます。
バキュームだ、オゾンだ、バイオだ、酵素だ、浄化装置だ、回収装置だ、もう挙げるのが辛いです。
多少の知識があればまだしも、何をどこにどう頼めばいいのか。。。。
しかし、断言します。
無知であることは、今の時代”罪”です。
なにもグリストラップに限ったことではありませんが。
騙されたと思っても、知識が無いからと言っても、業者が本当に良いものだと勧めてきたからと言っても、
投資した費用は戻ってきません。
何度も書いている気がしますが、グリストラップって何のために設置されてあるかご存知ですか?
構造と仕組みを調べれば分かる事なのですが、まず業者やサービスを調べる前に、
このあたりの基本的な事について調べておく必要があります。
そのうえで、じゃあどうすればいいのかという話になるわけですが、
グリストラップは、ゴミや油脂分、沈殿物をせき止めて先に流さないようになっているわけです。
であるからして、これらを定期的に外部へ取り除くことが必要なんです。
その考え方に沿って判断すれば、大きな間違いを犯すことはないでしょう。
そして、定期的にと言うが、どれくらいの頻度でやればいいのか?という話になります。
清掃というのは、どれだけやってもやり過ぎるということはありません。
やればやるだけ綺麗な状態を保てるものです。
しかし、自分でやるとしても時間の問題が、業者に頼むとしても費用の問題が出てきます。
参考として、弊社の営業エリアである、福岡市のWEBサイトをご紹介します。
このサイトに載っている清掃頻度は、決して大袈裟ではありません。
弊社も日々業務を行う中で、それくらいの頻度が本来必要であると考えています。
また、分離させた、油脂分や沈殿物をグリストラップの中で分解浄化することは困難です。
大規模な施設では、グリストラップを通った厨房排水をそのまま下水道へ放流することはせず、
厨房除外設備(排水処理施設)が設けてあり、曝気槽(エアーを送り、ブクブクさせる水槽)や、
沈殿槽(浮遊物を沈殿させる水槽)、その他工程を経て、下水道へ厨房排水を放流するよう、
水質改善に努められています。あくまでも”グリストラップを通過した排水”というところをお忘れなく。
グリストラップのあの小さな水槽の中だけで、厨房排水を分解浄化させることは難しいというのが、
弊社の見解です。
グリストラップに自浄能力はありません。
あくまでも油水分離を行う排水槽です。