飲食店で食事をする時、特に一人だとカウンターに通される事がよくある。
そうすると職業柄、グリストラップの位置をつい確認してしまう。
「ははぁー、あそこにあるって事は、配管はこう引いてあって建物の裏に出してあるな。」
などと考えながら、料理が出されるのを待っている。
それだけなら別に問題はないが、たまにこういうのがある。
先日もだ。
「ははぁー、あそこにあるって事は……..ん?またか、また付いてるか、曝気装置。」
グリストラップ付近の床やシンク下にブロワーが付いているので、見ればすぐに分かる。
グリストラップのフタを切って、そこから細い塩ビパイプやホースを挿入しているのが特徴だ。
実はこれ、設置を禁止されている。
なぜか?理由は、グリストラップの機能を損ない、排水詰まりを引き起こす可能性が高まるからだ。
結構な確率で排水管が詰まる。
本来、グリストラップは排水を通過させる段階で、ゴミや油脂分等を分離させる機能を持っている。
先の排水管に、汚れのひどい排水をそのまま流さない為だ。
要するにグリストラップが汚れを溜めこむという事。
それをグリストラップの底から曝気すれば、分離されずにむしろかき回す事になる。
結果、そのまま排水が流れていってしまう。
これでは、グリストラップを設置していないのと同じ事だ。
フタを開けて、グリストラップが汚れているという事は、グリストラップが機能を果たしているという事。
グリストラップが溜めこんだ汚れは、定期的に外部へ取り除かないといけない。
それが正しいメンテナンス方法である事は、今も昔も変わらない。
曝気させてかき回して、「ほら、綺麗に保ててるでしょ?」というのは違うのです。
またか…….
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